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よくわかるACT 


よくわかるACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー) 明日からつかえるACT入門よくわかるACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー) 明日からつかえるACT入門
(2012/09/14)
ラス・ハリス

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オススメ度 ★★★★★


ACTとは、Hayesらが行動分析学に基づき、機能的かつ実証的な知見を蓄積していくことで発展させていった、いわゆる第三世代の行動療法の一種である。ACTは行動分析学の中でも主に、関係フレーム理論の上に成り立った行動療法である。

ACTは「避けられない痛みは受け容れながら、有意義で豊かな人生を切り拓くこと」をねらいとしている。

そのために、「今、この瞬間」に評価なしに注意を向け、それを「受け入れ」、そのうえで「大切だと思うこと」を主体的に行っていくことを指向していく。

いわゆる第二世代の行動療法では、思考の内容に対する認知の仕方に歪みがあると問題が生じると考えるが、ACTでは自分と自分のマインド(考えたことや感じたこと)がごっちゃになること(「自分はダメ人間だ」という考えが生じると、本当に自分がダメ人間なような気がしてくる)が問題だと考えるため、自分とマインドを切り離す(脱フュージョン)ことで自分がしたいことをしていきやすいように手助けしていく。症状の緩和は主眼ではなく、その副産物であると見なされる。

注意:説明の便宜上、「第二世代の行動療法では、思考の内容に対する認知の仕方に歪みがあると問題が生じると考える」と記述したが、厳密な意味ではこの説明は正しくはない。
第二世代の行動療法も自動思考から距離を取ること(脱中心化)の重要性を説いているからである。第二世代の行動療法の代表的な技法「認知再構成法」はあくまでも脱中心化を導くための一手段にすぎない。思考の内容を変えることは主目的ではない。



第二世代の行動療法とACTとの概念上の大きな違いの一つは「価値」であろう。

第二世代の行動療法では、エビデンスという名のもの、「この症状にはこの技法」というように、一対一対応で考えれらる事も少なからずある(「強迫性障害への対処として何が考えられるか?→曝露反応妨害法」と反射的に頭をよぎりはしなかったであろうか?)。

だが、ACTは上述したように、症状の緩和に主眼をおいてはいない。そのため、曝露反応妨害法がクライエントの「価値」に沿ったものではないのであれば、その方法は行わない。症状の除去よりも、そのクライエントが価値を感じる行動をとっていく方が重要だと考えるからである。

確かに、第二世代の行動療法であっても、事前に十分なアセスメントを行ってから技法を選択するので、自然とACTでいう「価値」についても考慮に入れているだろうと思われる。
しかし、「価値」という概念を知っているのと知らないのとでは、そのアセスメントのやりやすさや精度に大きな違いを生むだろうことが予想される。


ACTは日本人に非常になじみやすいセラピーなのではないかと思われる。
というのも、第二世代の行動療法では、感情と思考を明確に分けるモデルを想定しており、英語ではfeelやthinkという動詞を使うことで、それが感情なのか思考なのかを明確に区別することが出来るのだが、日本語ではこの区別がつきにくいことが多いからである。
その点、ACTでは両者とも「マインド」で一くくりにされるため、日本人には直感的に理解しやすいように思える。

もちろん、第二世代には第二世代の良さがあり、優劣をつけれるものではないが、上記の理由から、ACTは今後益々日本に広まっていくのではないだろうか。


一方、「ACTは奇妙なまでに反直感的」なセラピーであるため、他のセラピー以上に『技法の独り歩き』に注意しなけらばならない。
例えば、クライエントが「不安で電車に乗れない」という主訴で来談した時に、入念な説明もなしに「では、マインドフルネスになるために瞑想をしましょう」だなんて言っても、クライエントはハトが豆鉄砲を食らったようになるだけであろう。ACTを知らないクライエントにとっては「電車に乗れない」という具体的な主訴と「瞑想(呼吸)」との間に明確な関係を見出せないであろうからである。
現時点でさえ、なぜか「マインドフルネス」が一つの技法として大ブームとなっているきらいがあり、本質を見失いつつあるように思えてならない。気をつけたいものである。

また、「マインド」は非常に便利な言葉であるため、クライエントが行動を起こせない時に何でもかんでも「そうやってまたマインドのいいなりになるのですか?」と杓子定規に「マインド」という言葉に伴う判断をし、クライエントの葛藤や迷いを理解しようとするセラピストの責任を放棄してしまわないように気をつける必要もあるだろう(もちろん、セラピストがきちんとACTを理解し、自分にも実践していれば防げるリスクであるとは思うが)。



私は本書を手に取り、最初の2ページを読んだ段階で「当たりだな」と直感した。そしてその直感は当たった。
ACT内で使用するメタファーや概念を説明する際に使用するセラピストのセリフも満載であるので、非常に分かりやすく、イメージがし易かった。ACTに興味がある方は本書から入ってみることをオススメする。

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カテゴリ: [心理系オススメ図書]臨床心理学

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