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発達心理学 発達心理学とは何か 

発達心理学とは何か 

発達心理学とは、心身の形態、機能の成長・変化における発達の法則の樹立を目指す、応用心理学の一分野である。

発達心理学は、人の成長は単に加齢に伴う心身機能衰退という下限方向の変化だけでなく、学習・成熟といった上限方向の変化をも扱う生涯発達の視点に立っている。
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遺伝と環境 遺伝 

遺伝 

人間発達について、遺伝か環境かをめぐって様々な論争が繰り広げられてきた。
遺伝を重視する立場は生得説と呼ばれ、家系研究によるものや双生児法によるものがある。家系研究で有名なものとしてゴールトンによるものや、ゴタードによるものがある。
ゴールトンは有名人家系を系統的に分析したところ、歴史的に優れた家系からは優れた人物が出やすいことをみいだした。
また、ゴタードはカリカック家の研究により、知的障害者である前妻と上流階級である後妻との間にできた子供では、前者は知能障害者・てんかん・犯罪者が多く、一方後者では医者・弁護士が多くなることを見出した。

双生児法による研究として有名なものは、ゲゼルによる階段のぼりの実験がある。
ゲゼルは、一卵性双生児の一方(T)に階段のぼりの練習をさせ、もう一方(C)にはさせないでおき、Tがある程度のぼれるようになったらCにも練習を始めさせた。
すると、練習期間はTの方が長かったにも関わらず、Cが階段を登り切る時間は、2週間目にはTよりも速くなっていた。
この結果から、ゲゼルは学習が効果的に獲得される為には、レディネス(身体的発達基礎)の成立が不可欠であるとする、成熟優位説を提唱した。

レディネス

 レディネスとは、教育や学習が効果的に可能になるための発達的基礎のことである。ゲゼルにより提唱された。ゲゼルは一卵性双生児を用いた階段のぼりの実験から、レディネスが成立していない段階で、学習を行ってもその学習の効果は認められないことを見出した


以上のように生得説(遺伝の優位性を主張する説)を裏付けようとする研究はいくつかあるにはあるのだが、実際には環境因を分離しきれていないという点に注意する必要がある。

例えば、ゴールトンやゴタードによる家系研究は、「経済力」といったような環境因を統制できていないため、はたして本当に研究結果が遺伝の優位性によって生じた結果なのかを判断することが出来ないのである。

また、ゲゼルの階段のぼりの実験は、「学習の転移」の要因を統制できていない。
つまり、Tが階段のぼりの練習をしている間、Cは何もしていなかったわけではなく、他の身体活動を行っていたのであり、その活動による身体的な成熟が階段のぼりに影響しただけなのかもしれないのである。


なお、ヴィゴツキーは、レディネスを待っていては、適切な訓練の時期を逃す可能性があると考えた。
そこで、子供がある事柄を解決しようとする際、自力では成し遂げられないが、大人が手をかせば達成できること(発達の最接近領域)の発達を促すことが、子供の教育上、重要であると考えた。

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遺伝と環境 環境 

環境

人間発達について、遺伝を重視する生得説に対し、環境を重視する立場は経験説という。
発達における環境の重要性を示唆するものとして、シング牧師が報告したアマラとカマラの事例や、イタールが報告したアヴェロンの野生児の事例がある。

経験説の中でも行動主義は特に環境による要因を重要視する立場である。

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遺伝と環境 遺伝も環境も 

遺伝も環境も 

遺伝か環境かという論争は、現在では「遺伝も環境も」という議論へ収斂している。
特に代表的な立場としてシュテルンの提唱した輻輳説がある。輻輳説は遺伝要因と環境要因が寄り集まって、加算的に発達が促されていくとする立場である。ルクセンブルガーの図式が有名である(図1)。

るクセインブルガー
だが、輻輳説は遺伝と環境が独立して作用していると考えている点に欠点がある。
そこで提唱されるにいたった立場が相互作用説である。
相互作用説で代表的な立場にジェンセン環境閾値説がある(図2)。

環境閾値

例えば、絶対音感のようなある種の特殊な特性は、幼少期からの英才教育を受けられるような環境が必要不可欠であるが、身長のような特性であれば、ある程度の環境が満たされていれば遺伝因に基づいて自然と伸びていく。

このように、環境閾値説では、特性によって遺伝因、環境因それぞれの影響の仕方が異なると考えられている。

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発達論 ピアジェの発達論 

ピアジェの発達論

人間発達がどのような過程で進むのかに関する考え方は、各研究者が何を基準として段階を設定するかにより異なる。
発達論に関して代表的なものとしては、ピアジェによる認知発達理論やフロイトによる心理-性的発達理論、エリクソンによる心理-社会的発達理論漸成的発達論)などがある。

まずは、ピアジェの発達論について数回にわたって論じていくこととする。

認知発達理論

 認知発達理論とは、ピアジェにより提唱された発達理論である。ピアジェはシェマと呼ばれる認知様式の構造の変化過程に基づいて発達段階を、感覚運動期前操作期具体的操作期形式的操作期の4段階を想定した。シェマは各段階で、生体の環境との相互作用により、同化調節を繰り返していく。環境との相互作用を通して生じた事象や結果を、シェマに取り入れることが同化であり、事象や結果を基にシェマを変容させることが調整である。同化・調節の繰り返しにより、シェマと外界との均衡化を図っていくのである。

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ピアジェの発達論 ①感覚運動期  

感覚運動期

感覚運動期とは、子供が身体的行為を通して外界と接触する時期である(0~2歳)。

感覚運動期は第一次循環反応期から第三次循環反応期に下位区分される。

第一次循環反応 → 体を動かす
第二次循環反応 → 物への働きかけ
第三次循環反応 → 物と物を呼応させる

※感覚運動期の後期には、目の前から事物が消えても、その事物自体は存在し続けるという対象の永続性を獲得する。

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ピアジェの発達論 ②前操作期 

前操作期

前操作期とは、表象が発達する時期である(2~6歳)。
  
この段階では、見立て遊び(積み木を車として見立てるなど)や、ごっこ遊びなどができるようになる。
  
また、この段階の特徴として自己中心性が見られるという点が挙げられる。
自己中心性とは、自他の区別が弱いことである。自己中心性を示す実験としては、三つ山課題が有名である。

三つ山課題では、前操作期の子供は、自分と他者が違う角度から三つ山を見ているにもかかわらず、相手も自分と同じ風景が見えていると考える傾向があることが見出されたのである。

自己中心語(独り言)やアミニズムも自己中心性の表れであると考えられている。
つまり、他者からの反応を無視したような話し方として表われるのが自己中心語であり、自分と同様に、無生物にも命や意志があると考えられる傾向がアニミズムであるのである。

なお、ウェルナーはアニミズムと同様の概念として相貌的知覚を提唱した。相貌的知覚は無生物にも感情や表情をよみとる点に特徴がある。
(例) 
車に乗っている子供:「お月さまが追いかけてくる」→アニミズム
壁の染みをみた子供:「壁が笑ってる」→相貌的知覚
 

保存の概念が成立していないのも、この時期の特徴である。
保存の概念とは、加減などの処理がなされてない限り、物の性質は変わらない、という概念のことである。
この段階の子供は、保存の概念がないので、見た目に騙されやすい。
例えば、同じ容器に同じ量を入れた水の片方を、細くて長い容器へ移し替えると、水が増えたと考えてしまう(図1)。

前操作期

※前操作期で言う「操作」とは、因果を推論をする能力のことである。
図1にあるように、見た目にだまされるのは「長い容器に入れた水も元の容器に戻せば、見た目も同じに戻る」という推論がまだできていないからであり、このように「操作」が出来る「前」の発達段階であるので、この時期を前操作期というのである。

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ピアジェの発達論 ③具体的操作期 

③具体的操作期

具体的操作期とは、具体的な事象なら操作ができるようになる時期である(7~11歳)。
 
この段階では、前操作期の特徴であった、自己中心性が見られなくなっていく(脱中心化)。
さらに、この時期は群性体(論理構造)を獲得する時期でもある。そのため、具体的なことであれば、推論することが可能となる。
(例)1円+5円=6円が分かる。しかし、1+5=6は分からない。

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ピアジェの発達論 ④形式的操作期 

④形式的操作期

形式的操作期とは、抽象的な事象でも操作可能になる時期である(12歳~)。
 
※以上①~④の段階の変遷は、シェマの変化の過程でもある。

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発達論 フロイトの発達論 

フロイトの発達論

フロイトは、リビドーと呼ばれる概念を用いて、独自の発達論を提唱した。それが、心理-性的発達理論である。
心理-性的発達理論

 フロイトは、身体的な成熟とともにリビドーがその欲動を満たす身体部位が変遷すると考え、心理-性的発達理論を提唱した。心理-性的発達理論では、口唇期肛門期エディプス期潜伏期性器期の5段階を想定する。各段階でリビドーに満足が与えられすぎたり、逆に満たされないことがあったりすると、その段階に固着し、特定の性格傾向が形成されると考えられている。

※固着とは、リビドーが発達途上の特定の段階に停留し、その後の発達などに影響を及ぼすことである。
フロイトは口唇期に固着すると精神病、肛門期なら強迫神経症、エディプス期なら転換ヒステリーや恐怖症の原因となると考えていた。

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